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なぜ、プリンス??-データベース公開の趣旨と目的
「なんでまた、プリンスなんか好きなの?」とよく聞かれます。
その度にいろいろと考えるのですが、結局、歌詞が好きだから、ということになります。

 ここで言及しておきますが、わたしは卑猥な言葉を連発する人間が好きではありません。コミュニケーションを目的とする発言の場で、他者に対してごう慢な意味を含ませた表現や卑猥語、差別語をあえて好んで使用される方を、わたしは好みません。生活習慣の中で使用を限定/禁止されている種類の語彙をあえて使用し、他者がみせる強い驚きを見物して喜ぶ方に対しては深い嫌悪感を覚えます。
 ただし、その様な言葉しか使えない方に対して、気の毒だと思っています。

 わたしは、プリンスの成長してゆく言葉が好きです。
 一般的には「プリンス=卑猥語を連発する下品な歌手」というイメージがあり、また、そういう悪ぶったところが好きだ、と言う方もいらっしゃいますが、それではプリンスの一面しか見ることができないとわたしは考えます。

 プリンスはもともと、その音楽スタイルが独創性、多様性を持つことで高く評価されています。彼の作曲する音楽は常に変化し、進歩し続けています。実際にお会いして言葉をかわしたわけではありませんので、ご本人が本当は何を考えていらっしゃるのかはわかりませんが、その表現を通じてうかがえる、進歩しようとする努力の様子を、わたしは賞賛しています。

 ひとりの人間が20年以上の長い間努力して、自分の考えを表現するために音楽を作り続けているわけですから、歌詞についてもまた同じことが言えます。デビュー当時の彼の詩はやはり10代の少年の持つ特有の語彙が多く見られます。10代という若さもありますが、語彙の種類は残念ながらあまり上品とは言えません。ですが、望ましいとは言えない環境下で育ち、傷付き、それでもまだ成長を望む様子が歌詞からはうかがえます。

 人間とは、不完全で矛盾に満ちている存在です。他者との通信手段として選択した言葉という道具の多様性に驚き、その破壊性と暴力性を制御できずにいます。その使用に関しては数千年以上経た現在でも未だに未熟です。

 ですが、同時に成長と進歩を求める情熱的で素晴らしい存在です。
 そして彼の音楽や、歌詞にはそれが表現されています。

 言葉は、不思議な道具です。人間の心の動きとは基本的にはそう変わらないはずなのですが、その人間の住む地域の人々が話す言語の構造や、語彙が持つ多様なニュアンス、その単語の組み合わせ方で、その表現方法は無限大に拡がります。一方でそれを解釈しようとする他の人間により、その表現自体が固定のイメージが固まり、その表現をした本人でさえもが、他者が判断したイメージに、自分自身の表現を再度限定し、自分自身の行動をその言葉に添わせようとすることさえあります。

 すでに発信してしまったある表現を、他者だけではなく、自己さえもがその表現に対して抱いてしまった「偏見」を乗り越え、自分自身が真に表現したかった事柄に再度近付こうとすることは、大変な努力が必要です。プリンスは、20年以上その努力する様子をリスナーに見せ続けています。

 2000年の今、彼は42才になりました。未だに彼の言葉は成長を続けています。

 大変興味深いことに、年を追って彼の曲の歌詞を追っていくと、彼が何を考え、何を表現したかったか、少し近付けるような気がします。語彙の意味を探ることは、聞き手自身の語彙が持つ環境、言葉のもつ特性や制限の「壁」をある程度乗り越え、ひいてはプリンスの思考…一人の人間として何を悩み、何に感動し、何を望むのか…を垣間見る手助けとなるかもしれません。

 ここにあるデータベースはわずかですが、わたしが辞書や雑誌から調べたり、YazakiさんのTruthrespectやメーリングリストに載せるために他の方とプリンスの歌詞を翻訳をしたときに額を突き合わせて悩んだときの単語集です。
 一般的に、市販のCDに付属している歌詞カードの翻訳作業にあてられる時間は非常に短く、下調べの時間がほとんどありません。ですから、プリンスだけでなく、多くの海外の歌手の歌詞カードには誤訳が多いのも残念ながら仕方がありません。その不満を解消するには、自分でできるだけ資料を集め、辞書をひいていくことになるのですが、かなりの作業を伴います。
 少しずつですが、コンテンツを書き足していきますので、お持ちの歌詞カードと照らし合わせて、プリンスの歌詞を理解する役にたてていただければ幸いです。

 なお、このデータベースには卑猥語や差別表現も含まれています。

 これは、あくまでもプリンスの思考を追いかけるために公開しています。

 俗語表現の辞書を編集されているDr. リチャード・スピアーズの意見に、「多くの禁じられた表現は、間違いなく人を深く傷つけ、暴力を誘発したり、それを口にするものの人格に不名誉な形で跳ね返ってくる」という言葉がありますが、それにわたしは賛成しています。もちろん、外国語のみならず、母国語である日本語に対してもその概念はあてはまると信じています。

 プリンスの言葉には、英語を母国語としない人間が実生活や他の交流の場で使用するには、あまりにも強烈すぎる表現が含まれています。どうか趣旨をご理解の上、このデータベースをご利用されることをお願いします。

 また、わたしがプリンスの歌詞を調べる時に使用している辞書の情報も公開します。ご自身で辞書を購入し、歌詞の意味を調べたいと思われる方のご参考になれば嬉しく思います。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。願わくはこのデータベースがあなたのお役にたてますように。


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